2VーRは4ストなので4行程(2往復)で1周期(サイクル)になります。
なので上死点は2回あり、圧縮行程の圧縮上死点と排気行程の排気上死点です。
圧縮上死点で圧縮を得るためは吸気/排気バルブとも閉じています。
真冬でも、真夏でも、冷間始動時も、高速巡航中も、渋滞路走行中でも
確実に圧縮できるよう一定の隙間を設定しています。
この圧縮上死点で弁隙間の計測・調整することになります。
排気上死点は排気行程の終わりなので排気バルブが開いています。
効率のため次の吸気行程の動作が始まっていてこの上死点で吸気バルブも
開き始めています。動作が重なり合っているためオーバーラップと
呼ばれています。
初めてのタペット調整あるある:本来、圧縮上死点で調整するところ
オーバーラップで調整してしまい始動直後にスゴイ音が発生して焦る。
圧縮上死点なら指先でプッシュロッドが回せます。
オーバーラップ前後はバルブ作動があるので確認できると思います。
ボクサーは180度クランクなので片側が圧縮上死点なら反対側は
排気上死点となります。バルブクリアランス測定・調整したら
180度クランキングさせて次のOTマークを出して反対側の測定・
調整をします。
BMWはドイツ車ですから刻印は上死点で「OT」オーバレ・トート・プンクテ
点火時期は「S」シュペートで遅いの意味です。最大進角マークは「F」
フリューで早いの意味ですがファイヤーと間違われてこの位置で合わせられるのか
1985年のモノサスから「Z」に代わっています。